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依頼したシステム開発の権利はどこにある?

更新日:2022年5月13日

これも意外とトラブルになるので気を付けたいところです。



【失敗例】なぜ権利譲渡金を請求されるのか


外注でシステム開発依頼を出しシステムが無事に納品されました。


開発規模がそれほど大きなものではなかったので個別契約書を取り交わすことなく基本契約書だけの取り交しでした。


納品後、最初の3か月は多少の修正があるだけだったこともあるのか、連絡が取りづらくなってきました。


上司から連絡が取れない業者は困るということで保守を別会社に依頼する決定が下りてきたため、現状の会社に対して保守を切り替える旨の通知を行いました。


すると、開発したシステムの権利を譲渡する必要があるため見積もりを出すといわれ驚きました。


数日すると、システムの権利譲渡金として200万円の見積が届きました。


すぐに上司に報告したところ、システム開発費用に内包されているはずだと言われその旨を開発会社に伝えたところ、基本契約書ではそのような契約にはなっていない、保守を他社に任せるならば権利譲渡金を支払ってもらいたい、と言われ話し合いが平行線になってしまいました。


そもそも連絡が取りづらくなったことが原因なので、保守に関して連絡が取りづらいという状況を改善してもらいたいと伝えたところ、連絡とはどの部分になるのか明確になっていないので今の対応で全く問題ないはずだ、と主張されてしまい困惑しています。



【失敗の理由】基本契約書には必ず開発したシステムの権利について記載すること。また、案件ごとの個別契約書も締結すること。


今回のケースで指摘すべき点は、開発規模がそれほど大きくないシステムであったため、個別契約書を締結せずにいたことにありました。


たいていの基本契約書にはシステムの権利について条項が記載されています。


契約書内でも特に問題になりがちなところですから必ずチェックする必要があります。


基本契約書でカバーしていなかったのであれば個別契約書で開発したシステムの所有権および著作権について記載する必要があります。


開発会社では開発で自社が構築した内容について所有権は放棄していないことがあります。


昨今では「著作権等の帰属」などの項目にて、委託料金の支払いが完済された時を以って発注者に帰属するのが一般的になっています。


ただし、もともと所有していた著作権などはこの中に含まれません。


規模が大きな開発では必ずリーガルチェックを行っている会社でも小・中規模程度の案件だと契約書の取り交しにかかる時間を節約したく、基本契約書のみで発注を出すことがありますが、可能であれば個別契約書を取り交わすようにすることがトラブル回避につながります。


もう1つ、今回のケースでは保守込の開発になっていることがトラブルを招いた原因であるとも言えます。


保守込の場合、開発費用を安く設定することで相見積もりで優位性を出すことが出来ます。

これは開発会社が受注するためのテクニックでもあります。


保守の年月をどれくらいで計算するかにもよりますが年単位の保守であればそれなりの金額となります。


保守で頂ける料金を考慮して開発費用を計算することで発注社とより良好な関係を構築しようと考えるのは一つの企業努力です。


保守契約を途中で破棄するとなると本来見越していた金額を下回ってしまうため、今回のようなトラブルが発生することはあり得ます。


ちなみに弊社では


契約書については、ひな型だからとそのまま確認もせず使いまわすようなことはしません。


少し時間がかかる場合もありますが必ず基本契約書、個別契約書に目を通し、発注担当者さまと権利の帰属先についてコミュニケーションをとるようにしています。


これは弊社がパートナー企業様と一緒に仕事をするときも同じであり、トラブル回避として当然の仕事であると考えます。


例えば、構築したシステムを納品後、他社が修正を行ったりする可能性がある場合などはトラブルに発展することが予想されます。


他社が介入することが問題ではなく、開発された著作物を所有者がどのように取り扱うかを事前にしっかりと話し合うことでトラブルは回避できます。


保守についてはわかる範囲でヒアリングさせていただきながら発注社さまとズレが生じないように細心の注意をはかりながら案件交渉をすすめています。


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